一口法話

11、強制移住

今年九月に北海道江別市の真願寺に、親鸞聖人七百五十回忌・開教百二十五周年法要に兄弟三人で招かれお参りしてきました。記念式典で多くの来賓の中にアイヌの方が挨拶をされました。何故と思い住職に尋ねて色々と聞かされ、考えさせられました。

 江戸時代、アイヌ民族は北海道を始め樺太にも多く住んでいたそうです。江戸時代の終わり安政元年、幕府とロシアは領土に関して条約を結び択捉・国後は日本。以外の千島列島はロシア。樺太は両国の共同領有と決めました。さらに、明治七年には樺太千島交換条約を結び、樺太はロシアに千島列島は日本の領有と決りました。そのときに日本政府はアイヌ人は日本国民だと主張し、樺太に住む多くのアイヌ人を強制的に連れ帰り、主に色丹島に強制移住させたそうです。江別市にも多くの人々が移り住まわされたそうです。

 江別市では環境も変わり疫病が流行り、多くのアイヌの人々が亡くなったそうです。亡くなったアイヌの人々の菩提を弔う為に真願寺の前身が出来たそうです。そして、今でも毎年6月には墓前(樺太墓)で法要を勤めるそうです。アイヌの方はそのお礼を式典で「アイヌは自然崇拝的な宗教ですが、私達の祖先のために法要をし、お念仏を称えてもらい嬉しい。今では念仏もいいなと思ってる。」と述べられたのでした。

 私は人間の愚かさ(太古から住んでいたにもかかわらず、国の名のもとに強制移住を強いた日本人)を恥じると共に、一切平等の教えである仏教が国も民族も越え東へと伝わり、またここに、御同朋・御同行のお念仏が北海道の地にこのように生きていることに感動をしたのでした。
 


 
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